よっこいしょ、と膝に手をつき、立ち上がる梅橋。 「お前ももうすぐ、開放されるだろう。ちょっとの辛抱だ。待ってな」 「あぁ。…ありがとう。梅橋さん」 去っていく大男の背中に向かって言った。 梅橋は、後ろを振り返らずに、右手だけ軽く上げて、地下牢を出て行った。