『何!?雪乃が連れ去られた!?』
『あぁ。戦闘中に深手を負い、人質として連れて行かれたらしい…』
ある特別な任務でのこと。
仲間の一人が、敵に捕まってしまった。
本来ならば、人質になった時点でその仲間は見捨てなければならない。
…だが、アイツはあろうことか一人で敵のもとへ向かったんだ。
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『雪乃!!どこにいるの、雪乃ー!!』
『し…づき…?どうし…て…?』
『雪乃…!!助けに来たよ。もう大丈夫だから、安心して!!』
体中に殴られたり切られたりした痕が、雪乃にはあった。
息ももう浅く、いつまで持つかわからない体だった。
『敵…は…?』
『入り口の二人、中の五人は倒した。…大丈夫!!助かるからね』
『ダメ…紫月…。まだ…あと一人…い…る…』
『え…?』
シュッ…ザシュッ!!
『ッ!?』
敵は、八人だった。
紫月は、後ろから背中を深く斬られた。
『全く…やってくれるじゃねぇの。チビが』
『ウゥッ…』


