それでも、心の底から紫月を憎むことはできないのだ。 「そうか…」 それだけ言って、何か考えこむ梅橋。 そして、意を決したように翔真に向き合い、話し始めた。 「アイツは…紫月は、昔はもっと明るい奴だったんだ。小っせぇくせに、霊気と口は達者でなぁ。思いついたら即行動!!って感じで、バカ丸出しだった」 「えっ…紫月が!?」 あんなに冷静で、頭が良さそうなのに。 「あぁ。今のアイツは、昔の自分を必死に殺して出来た、紫月なんだよ」