「ちょっといいか?」 「別にいいけど…。大丈夫なのかよ、俺なんかと話して」 「大丈夫大丈夫~。これでも“玄”の頭領なんでね」 見た目とは裏腹に、意外と気さくな人らしい。 って、 「あんた、“玄”の頭領だったのかよ!?」 「おう!」 確かに、紫月が“さん”付けで呼んでいたことにも、説明がつく。 梅橋は、牢の前でドカッと座る。 「さっきは悪かったなぁ。驚かせちまって」 「…別に、アンタのせいじゃねぇだろ」