「…分かったよ。来週の土曜、埋め合わせすっから」 「えっ、マジで!?よっしゃぁー!!」 本気で喜んでいる爽太をみて、翔真は笑った。 (昔からコイツは変わんねぇな…) 翔真の家族は兄と母親の二人だけだ。 父親は、まだ翔真が小さい頃に事故で亡くなったと聞いている。 もちろん、父親の記憶など一つもない。 幸い、貯めていた貯金はあったため、生活に苦労はしなかった。 だけど、“シングルマザー”という言葉で、翔真はいじめられた。