SWORD HEART  ~一瞬を生きる剣~


金属同士がぶつかる音。


(…痛くねぇ)


斬られたハズの翔真に、痛みはなかった。


そっと目を開けてみると、


「ったく…うちの連中は喧嘩っ早い奴が多いなァ…」


翔真の前に立ち、紫月の刀を受け止めている大きな男がいた。


「梅橋…さん」


「久しぶりだな、紫月」


ニカッと笑った大男…梅橋 風間。

プロレスラーのような体つきに、左目の大きな傷。


大物だということは分かるが…。


(コイツ…霊気を全然感じねぇ…!!)


「…邪魔をするな」


後ろでその様子を見ていた令が、を睨む。


が、梅橋は全く表情を崩さず、相変わらず笑っている。


「なんだよー、親友に向かってそんなこと言うなって!!…大っきな情報を届けに来てやったのになぁ~」


ニヤリと笑って令を見る梅橋。