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紅の屋敷を出て、約10分後。
紫月は、黒鷹衆の敷地内で、最も大きい屋敷の長い廊下を歩いていた。
(ここは、何度来ても慣れんところだな…)
裏界、斑鳩地方の東に位置する、黒鷹衆の領地。
その広大な領地には、巫女の屋敷を始め、紅、蒼、黄雷、玄の四つの屋敷や救護舎、高種族の屋敷などが立ち並んでいる。
その中心に位置する、中央指令部の大屋敷では、若長を中心に、裏界のすべての情報が集められ、表界と裏界の均衡を保っている。
紫月は、長い廊下のある一部屋の前で、足を止めた。
(相変わらず、お強いな…)
その部屋から流れ出る、強い霊気。
さすが、20で黒鷹衆の長を務めているだけのことはある。
「失礼いたします。…“紅”所属 祈光院 紫月。表界へ赴く為、ご報告申し上げに見参いたしました」


