「はい。“蒼”は体術、“黄雷”は忍術、そして我々“紅”は剣術を主に使い、前線で戦闘を行います。しかし、“玄”は情報収集や隠密活動を主としているチームなんです」
「今は、頭の代わりに表界で美弥子様の護衛をしてるんだと。まっ、ヘマしなきゃいいけどな」
ハンッと鼻で笑い、バカにしたような感じの要。
「確かに、“玄”だけでは無理がありますね。でも、頭の傷も…」
「これくらい何ともない。全く…過保護すぎんだ、時雨も要も…泰羅木もな。だが…」
話している間に、さっき時雨が運んできた丼も、いつの間にか空になっていた。
紫月は、すっと立つ。
「…ちょっと出かける。お前らは特訓でもしていろ」


