屋敷の門からこちらへ近づいてきた、一人の女性。 「奏さん!!」 「まったく…無茶するんだから、この子は」 奏と呼ばれた女性は、翔真に抱かれた紫月に近づき、額に手をかざす。 その手からでたオレンジ色の光が、紫月を包み込む。 すると、紫月の頬にあった傷が、スゥっと治っていった。 「すげぇ…。何者だよ、あんた」 女性は、翔真をチラッとみて、再び紫月に視線を落とす。 「…医務官の泰羅木 奏(やすらぎ かなで)よ」