「こちらの世界と黒鷹衆のことは、時雨から聞いているな?」
「あ、あぁ。まぁ、ざっくり」
「………。」
それだけ聞いて、下を向き、黙る紫月。
四人の間になんとも言えない沈黙の時間が流れる。
「…頭。気持ちは分かりますけど、仕方がありませんよ…。これも彼の運命なのですから」
我慢できなくなったのか、時雨が口を開く。
「…そうですよ。どうせ頭のことだから、巻き込みたくないとか考えているんでしょうけど」
投げやりな口調の要も、時雨に続いて言った。
「なんだよ、運命だの巻き込まないだの…。俺にも分かるように説明しろよ」
「頭…!!」
時雨の押しに負けて、重い口を開く紫月。
「まず、二つの世界を行き来できるのは、強い霊気を持つ者…上級種族だけだということは知っているな?」
「え?あぁ」
「つまり、表界に現れた狩人は、それ相当の霊気を持っているという事になる。そして、それを退治するには、それ相応の力を持つ者でなくてはダメだ。というよりも、まず表界にも行けない」
「だろうな…」
紫月は、腹の傷口を押さえながら、ゆっくりと立った。
「お前は、美弥子様の息子だ。かなり強い霊気を持っている。それに、お前は青華家の者ではないが…ソウルだ。何とかなるかもしれん」
「俺が?んな馬鹿な…。現にそんな術とかソードとかなんて、使ったこともねぇよ!!てか、使えねぇよ」
「当たり前だ。ソードはこちらの世界でしか使われていない。それに、霊気とは見えぬものだ。強いか弱いかなど、普通の人間は分かるはずもない」
紫月は話しながら、縁側の方へ出て、庭に降りる。


