「それで、表界の母さんを殺そうとしてたのか…」 「…はい。巫女本人を殺すには、私達黒鷹衆が護衛しておりますので、そう簡単ではありません。だから、表界の美弥子様を…」 「許せねぇ…そのために母さんを…」 握った拳に力が入る。 「だから私が表界に向かったのだ」 縁側の方から突然、聞き覚えのある声がした。 二人が縁側の方を見ると、 「紫月!!」 「頭!!」 痛々しい包帯が身体に巻かれた紫月が、傍らにいる男の肩を借りながら立っていた。