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「さて…何から話しましょうか」
「全部だ。アイツの説明は全然分かんねぇ」
「頭は事務的な説明ですからね」
頭とは…きっと紫月のことなのだろう。
確かに、紫月の口調は堅く、事務的だ。
「この世には、二つの世界がある…というのは知っていますね?」
「まぁ…何となくは」
「翔真殿の住んでいる世界は、表界と呼ばれています。そして、もう一つの世界がここ、裏界です。裏会には、表界と姿、身なりなど外見が全く一緒の人間が住んでいます」
「あぁ。鏡の世界…みたいなもんなんだろ?」
「はい。私達はそれを“ソウル”と呼んでいます。しかし、全てが同じというわけではなく、名前や性格など、変わっているという例もあります。まぁ、私も行ったことはないのですが」
「へぇ…。行ったことないのか」
「はい。私達の様な普通の人間は、二つの世界を行き来することはできません。しかし、唯一、それができる方々がいます」
「青雅…都子…」
「えぇ。裏界の上級種族である、青雅家。中でも、都子様は“巫女”と呼ばれる、大きな力を持つお方です」


