SWORD HEART  ~一瞬を生きる剣~


「お、落ち着いて…。頭は向こうの一室で傷の手当をしています」


「傷って…そんなに深いのか?」


「まぁ…。刀に猛毒が塗ってあったみたいで、さすがの頭でもあと少し遅かったら…」


刀に毒…。


紫月の肩と腹の傷が、翔真の脳内に浮かぶ。


肩の方は軽そうだったが、腹の傷はきっと深いだろう。



「さぁ、まだ朝も早いですし、部屋へ戻りましょう。翔真殿」


「あ、あぁ。あとさ、時雨さん…だっけ?こっちの世界の事、教えてくれ」


「分かりました」


二人は並んで部屋へ戻った。