縁側のような長い廊下を走ってくる、一人の男。


袴をはき、髪を結っていて、まるで昔の侍のようだ。


「ここは?てか、あんたは誰?」


「ここは裏界という場所です。んで、私は氷向時雨(ひゅうが しぐれ)という者です」


「裏界?」


(そういえば…あの変な男が剣を飛ばしてきて…それで…)


「アイツは!?紫月の奴はどこだよ!?」


全てを思い出し、ハッとして時雨に飛びつく。