「その裏界の美弥子様とは………、!?」
話の途中で、紫月が何かに反応したように、窓の方をバッと見た。
つられて翔真も窓を見るが、何もない。
「な、なんだよ?どうした?」
「…静かにしろ」
紫月は、目を閉じて片手を床につく。
「蜘蛛糸……放!!」
カッと目を開いた瞬間、紫月の手を中心に、蜘蛛の糸のような線が床に拡がっていく。
「!?なんだよ…これ…」
青く、半透明に輝く線は、翔真はもちろん、長く続く廊下、さらには病院の外までも同心円状に拡がっていく。
「…捕らえた」
紫月が床から手を離すと、スゥっと拡がっていた線は消えた。


