「お前は、世界は一つだと思うか…?」
「は?なんだよ…急に」
「私は、この世界とは別の世界…“裏界”からきたのだ。ある目的のために」
別の世界?
裏界?
ある目的?
「言っている意味が全っ然分かんねぇんだけど」
「だろうな。理解力が無さそうな顔をしている」
今すぐに殴りたい衝動がおこったが、翔真はなんとか抑えた。
「いわば鏡の世界…と言ったほうが早いか。今、お前がいる世界の住人と、姿、特徴が全く同じ人間が、“裏界”にもいるんだ。…私はそこから来た」
「その“裏界”なんて、聞いたことねぇけど」
「当たり前だ。こちらの世界でも知っている人間はほんの一部しかいない」


