「なぁー、もう帰ろうぜー。ここ気味悪いし、暗いし、なんか変な感じがするんだよなー…」 「ちょっと俺は調べ物してから帰るわ。先帰ってていいぞ」 その言葉に、最初はブーブーと文句をいっていた爽太も、耐えられなくなったのか、渋々と帰っていった。 爽太が帰ったせいか、辺りはいきなりシンとなった。 夏で日が落ちるのは遅いからと言っても、やはり木々が生い茂ったこの場所は、暗い。 急に、ポンっと頭に浮かぶ、紫月の顔。 「アイツに色々と聞き出せば楽なんだけどな…」