「…は?」
翔真はもちろん、紫月ですら意味が分からなかった。
そんな二人を置いて、翔真の肩をポンポンと叩く爽。
「俺は貴族が嫌いでさ、名ばかりで、何もできねぇお坊っちゃんだと思ってたんだよ。でも、そうじゃねぇみたいだな。悪かったな、翔真」
あんぐり顔の翔真に、ホッとしたような表情の紫月。
ハッと我に返り、
「あっ、でも!!紫月だって、何とか院っていう貴族なんだろ?」
それも、かなり有名で上流貴族だ(梅橋から聞いた話だが)。
「まぁな。でも、コイツは…違う。紫月は、他の奴らとは違うからな。平気だ」


