縁側から、そこにおいてあった下駄を履き、庭の方へと向かう。 (不思議なもんだな…) 夜でまわりは暗い上に、大きな和風の屋敷。 普通であれば、なにかが出てきそうな場所だ。 だが、そんな恐怖心もなぜか感じない。 砂利が敷かれ、松の木や池が風情をかもしだす、美しい庭。 時間が止まったかのように、いつまでも居られる。 池の方へ歩いて行くと、話し声が聞こえてきた。