あからさまに、顔をしかめる要。
「あぁ。兵力的にはこちらの方が強いのだが…向こうは、非人道的な戦い方をする。故に、いつも戦闘は長期化してしまい、苦戦するのだ」
「非人道的、か…」
徹底的に痛めつけるという事なのか。
命をかける戦いなど、したことがない翔真は、想像もつかない。
だが、隣にいる紫月や時雨、要たちはきっと、そういう奴らと戦ってきたのだろう。
3人の瞳の暗さを見れば、明らかだった。
「それで、その白嶺との戦いだが…」
静かに話し始め、再び言葉を飲む紫月。
それを見た要が、軽くため息をつく。
「なんすか?さっきっから…。そんなに言いづらいことなんですか?」
「いや…そうではないが…」
「じゃあなんだよ?」
それでも、渋い顔をしている紫月に、不信感をもつ翔真。
「……時雨。お前は今回の戦い、屋敷で待機だそうだ」
「えっ…!?」


