「お、ここだろ?道場」 「あぁ。…じゃあな、爽太」 「おう!土曜日、絶対空けとけよ!!」 叫びながら走り去っていく。 「分かったよ!!」 翔真はフッと笑って道場に入っていった。 「おーい、玄克さーん」 夕日が差す道場に、響く声。 でも、返ってくる声は無い。 (いねぇな…) 本当はここまで来たら、剣のひとふりくらいしていきたかったが、後で玄克に怒鳴られる事を思うと、剣を持つ気が失せた。 「…帰るか」 仕方なく、家へ向かって歩き始める。