ペコッと軽く礼をして、元きた道を戻っていく時雨。 (時雨さんにとっても、アイツは大切な頭んだよな…) そうじゃなきゃ、あんなふうにフォローを入れないだろう。 「よし…」 目を閉じ、意識を集中させる。 屋敷中の全ての霊気を感じる。 たくさんのぼやけた霊気。 その中で、一際はっきりと感じる霊気が一つ。 「……いた」 翔真は、すっと目を開け、その霊気の方向へと向かった。