バスが着いた。10分位待ったはず
なのに、1分も待ってない感覚。
これも、いつも通り。


一番後ろの、左ひとつ前。いつもの
特等席。2人掛けだけど、堂々と
リュック置いちゃうあたし。


栗栖 凛(くるす りん)、高校1年生です。


念願だった高校に(ギリギリ)受かり、
クラスも少し落ち着いてきた5月。
友達と呼べる仲の子も出来てきてみんな
がやっとホッとしてきた。

あたしが通ってる高校は、地元より少し遠い進学校。
あたしの中学校からこの高校に合格した人は、同じ学年であたし一人。
皆地元に近い進学校とか、専門の高校に行った。

そして今、あたしには好きな人が
います。あぁ恥ずかしい。
あたしが乗る、3つ先のバス停に
その人はいる。