僕等はまだ恋を知らない



「……っ………ぐすんっ………」



「ん?」



ちょうど公園を通りすぎようとした時に、1人の男の子がうずくまっているのが見えた。


どうしたんだろう………?




「ぼく、どうしたの?」



堪らず駆け寄ってみると、男の子は目を真っ赤に腫らしていた。



「………ふうせんがね……木にひっかかっちゃって……とれなくて……」


「風船?」



男の子の目線の先を追うと、たしかに青色の風船が木に引っかかっていた。



遊んでで手を離しちゃったのかな。