僕等はまだ恋を知らない



「ごめんね、澪」


風が吹いたら飛ばされてしまいそうなくらいの弱々しい声。



「嫌いなんて嘘だよ…………」



これは本当に沙耶の声なのかと一瞬耳を疑った。


「嫌いになれるわけ、ない」


それでも消えることなく続く言葉は間違いなく沙耶のもので。

次第に強まる腕の温かさも確かに沙耶のぬくもり。



「っ…………」



何も言えない私はただ固まっているだけ。


これは現実?

沙耶の本当の気持ちなの?