僕等はまだ恋を知らない



「はぁ……」とため息をつきながら、九条くんはくるりとプリントが置かれた席へと戻って行く。

九条くん、5時間目の授業出なかったの?


たしかに屋上に居る途中にチャイムが鳴ってしまっていたけど、まさかしばらく屋上に居たのかな。

なんで………?


「じゃあ、よろしく頼むよ」



わわっ、やっぱり誰かしらはこっちに………。


急いで近くにあったロッカーへと身を隠し、


「へいへい」


ヒラヒラと手を振りながら、廊下へと消えていく先生を密かに見ていた。


そして、先生に続くように教室に居た数名の生徒たちも教室を後にして残るは九条くん1人だけ。


九条くん……あの大量のプリントを1人でやるなんてめちゃくちゃ大変そう。