「それでも、伝えたかったんだ」 こんなに優しい大翔を突き放してまで、九条くんを好きでいていいのかな。 届くはずもない想いにすがって、立ち止まったままで。 「こんな私で……ごめんね………」 マラソン大会の日に九条くんに勝負を挑んだあの時も。 「好きな人がいる」と告白を断ったあの時も。 全部、全部………。 「泣くなよ」