僕等はまだ恋を知らない



ドクン、ドクンと心臓が不気味な音を鳴らしている。


もしかしたら振り払えるかもしれない。



そんなことが頭の中を過る。

だけど、無理だ。


怖くて動けない。

頭の中がぐちゃぐちゃで、怖いの2文字が浮かぶだけ。




「オレをバカにした罰だ……」



ゆっくりと近づく距離感に耐え切れず、たまらず目を強く瞑った。




やだよ……こんな………。


誰か…………。




九条くんっ!!!!