僕等はまだ恋を知らない



「もう……行くね」


肩に掛けていた鞄を掛け直してから、目を合わせないようにその場から離れようとした………時だった。





「………はぁ?何断ってくれてんだよ!ふざけんな!!!」



「えっ!?」



さっきまでの声とはまるで違う。


驚いて振り向いた先には、最初に見た優しい笑顔の面影もない。


前髪を掻き上げて「はぁ…」と一息吐いている。


え?どういうこと?