僕等はまだ恋を知らない



「面と向かって言われると、さすがに照れんだよ」


バッと顔を隠す早技。


長い前髪を利用して、途端に九条くんの表情が見えなくなってしまった。



「もー!隠さないでよっ!」


「ちょっ、やめろ!」


九条くんに近づいて、長い前髪を強引にかき分ける。


道端で止まって何をしてるんだろ、私たち。


周りに人がいたら変な人だと思われそう。



「あ、ようやく見え…………………」






髪の毛の隙間から青い瞳と目が合った瞬間、聞きなれない変な音が響いた。