「うん……じゃあ……」 ふわりと甘い香りが近づく。 肩や首に回された手とか、ピタリとくっつく背中とか、沙耶の体温を感じる。 震える手でぎゅっと私をつかむその姿はとても可愛いくて、笑ってしまいそう。 「よしっ、行くよ」 「うん……!」 沙耶は軽い。 男ならひょいっと軽々しく持てるくらいの軽さ。