黒狼と猫の総長様





『祐希の事を想ってくれてるのはありがたいが、お前ももう高校生だ。



新しい人を見つけろ。

人生、これからだろ?』







そう言って、未だに私の頭を撫で続ける透さんを見る。




『……私は翔に危険があれば、守るつもりです』




それこそ、全力で。




命を懸けて。




『それを、祐希が望むとでも?』





私の言葉に目を細め、手を止めた透さんが、声を低くしてそう言う。




……怒らせてしまった。





でも、私は、この考えを曲げるつもりはない。





『私も、望んでいなかった』





あの時あの瞬間、祐希があの場所に来ることを。




私の言葉を遮らず、透さんは真剣に聞く。





『でも、望んでない事は起こってしまうと思うんです。


あの時みたいに。



なら、例え祐希が望んでいなくとも、私は、翔の命に関わるなら、全力で守ります』





それが、私のできる唯一の償い。




祐希から聞かされていた、祐希の好きな弟を守ることこそ。




『……俺は、お前が決めたならそれでいい。



だけど、1人で抱え込むな』





そんな透さんの言葉に、顔を上げる。