『わーてるって!』
そう言ってまたぐびっと勢いよく酒を流し込む愛騎。
……可愛い顔をしているくせに、この酒豪。
きっと、愛哉と愛斗にも、何かしら裏の性格があるんだろう。
『……翔はどうだ?
あと、これ』
そう言って私の隣に腰掛けた、初代幹部の咲神透が私に酎ハイを進めながら言う。
『……頂きます』
実を言うと、私はこの人に頭が上がらない。
勧められたお酒等は、すべていただいている。
『……総長らしいです』
『お前の父親みたいにか?』
そう言って私を見る透さんに、一瞬いうのをためらう。
『……祐希に、そっくりです』
そう言って目を伏せた私の頭に、透さんが手を置く。
『あいつの事で、お前が引きずる事は無い。
アレは、お前が悪くない』
あの時、から。
祐希が私のせいで死んだ時から、ずっと。
祐希の父親である透さんと、母親である遙さんには、ずっとそう言われているけど。
……あれは、明らかに私の失態。
私の、せいだから。