『お前、俺の名前はわかるか?』
黒髪が私の目を見ながら聞く。
『……ごめん』
謝った私の頭に手を置き、なぜか笑う黒髪。
『謝んな。俺は、咲神翔』
『……っ、咲神⁉︎』
久しぶりにその苗字を聞いて、思わず動揺の色を浮かべる。
『どうかしたか?』
そんな私を不思議に思ったのか、聞いてくる黒髪、こと、翔に首を横に振る。
……咲神なんて苗字、この世に位沢山いるわ。
まさか、あいつの、だ、なんて……。
あり得ない、わよね……⁇
『……翔、よろしく』
できるだけ、完璧な作り笑いで翔を見る。
大丈夫。
バレていない。
きっと、翔は、関係ない。
無理やり、そう自分を納得させる。



