黒狼と猫の総長様






笑顔でニコニコと笑いながら、何か期待した眼差しを私に向ける双子。





『……痛いから、離れて。


愛哉、愛斗』





私がそう言うと、満面の笑みを浮かべた双子が私から離れる。




『……俺も名前で呼んで?』





袖をグイッと引っ張られ、呼ばれた方を見る。





……キャラ、変わったよね。琉。





素の方が私は好きだけど。





『……琉⁇』




『ん』





満足そうに笑って私に抱きつく琉。






……あ、うん。





普通にかわいい。






『……玲彩さん』





『……何?』





『玲彩さん、俺の名前、わかりますか?』





自分を指差しながら首をかしげる敬語君に、首を横に振って否定を示す。






『……なんとなく、わかってましたけど』




落ち込んだ様子を見て、罪悪感を感じた。





『……ごめん』




『別に、大丈夫ですよ。



今、考えたら、名前、教えた事ありませんから』





うん。そうだよ。




よく考えてみれば、分かるわけないじゃない。




罪悪感を感じて損した。




『俺は米田壮一。


これから、よろしくね。
玲ちゃん』





……やっぱり、あだ名のね。





『よろしく、壮一』





そう言って一応、差し出された手を握り返す。