『……何』
ぼそりと呟いた声は、誰にも届かず。
代わりに、クラスの1人が叫ぶ。
『あれ、毒蛇と黒虎じゃねーか!?』
『毒蛇……って、異端派の⁇』
『黒虎も、ヤベェやつじゃん……』
……へぇ、毒蛇と黒虎ねぇ⁇
リスト、載ってたような気もする。
騒めく教室と、私から離れて何かを話している夜猫の人達にバレないよう、ルキからもらったリストを見る。
……入ってる。
この機会に潰そうかな……。
倉庫まで出向くのは、面倒。
『お前ら、急いで体育館に移動しろ。
教師でお前らを守る』
そう言いながら入ってきた海斗の言葉に、みんな急いで移動し始める。
『……玲彩さん』
『ええ、急ぐわ』
海斗に促され、私も席を立つ。
『……黒狼』
すれ違いざまに、海斗にそう呟くと、驚いたように私を振り返る。
そんな海斗に意味深な笑みを浮かべ、私は早足に教室を去った。