黒狼と猫の総長様




『お疲れ様です』



当主から少し離れたところで、月夜が私を見てそういう。


『本当、よね。


でも、快く引き受けてくれてよかった』


壮一の事も、月夜のことも。

もっとお堅い人を想像していたから、案外優しくて少し安心した。





今、壮一は、皆にこの事を報告しに行っているはず。


そう思って、壮一達を探すため、周りに視線を巡らせる。



『……みっけた』



思わずそう呟いた私に、月夜が不思議そうに首を傾げる。


『何でもないわ。

翔達を見つけただけよ』




そう言った私に、何がおかしかったのか笑みを浮かべて私を見る月夜。



『……何?』



そんな月夜を見て、明らかに不機嫌になっていく私を、可笑しそうに月夜がみる。




『だから、何?』



少し強めに言うと、やっと口を開く気になったのか、私の耳元までしゃが見込む月夜。



『玲彩様は、翔の事が本当に好きなんですね?』




耳元でそう言った月夜から、慌て数歩後ずさる。



『……なっ、なっ!』



『顔、赤いですよ。玲彩様』




耳元を抑え、睨みつける私を華麗にスルーしてそういう月夜に、ますます睨みをきつくする。