『頭を上げてください、黒羽様』
当主の言葉に頷かず、頭を下げながら首を横に振る。
『私は、あなたが承諾してくれるまで、頭を上げるつもりはありません』
そう言って頭を下げ続ける私に、上から軽く、ため息をつく音が聞こえた。
『うちの息子は、そんなに大切な友人なんですか?』
当主の言葉に、今度こそ頷く。
『はい』
『……分かりました』
ため息とともにそう言った当主に、パッと頭を上げる。
『本当ですか?』
『はい』
私に向かってそう言った当主は、ですが。と続けて壮一に視線を移す。
『壮一、高校卒業後は、しっかりと時期家元として励む事が条件だ』
キツイ言い方とは裏腹に、口元に笑みを浮かべながらそう言った当主に、壮一が頭を下げる。
『ありがとう、ございます!』
壮一の言葉に続き、私もまた頭を下げる。
……でも、まだ終わっていない。



