黒狼と猫の総長様




成る程。


あれは確かにこの中でも目立つ。



『……挨拶に行くわよ』



壮一達が来る時に、米田の当主と話しておかなければならない。



きっと、今みんなも車から降りている所のはずだし。




話しかけてくる大人達を無視して、米田の当主に向かって歩いていく。



『……米田様』




私がそう呼びかけたのと同時に、翔達が会場入りしたのを視界の端に捉える。



『黒羽様……わざわざ声をかけてくださり、誠に光栄でございます』


そう言って一礼する当主に、私も一礼を返す。





『こちらこそ、来てくださりありがとうございます。


米田様には、私と同い年の方がいるとお聞きし声をかけさせてもらいました』




私の言葉を聞き、当主が何かを察したかのように何度も頷く。


……実は、このパーティーで、私は婚約者を決めると言う噂を流した。



もちろん、決めるわけないけど。



その方が、自然に壮一と当主と同時に話せるでしょう?