黒狼と猫の総長様





『……たく……。



若って、凄いですよね』





廊下側に寝転がりながら、月夜がそう呟く。




『……私が凄い?』



『はい。

だって、俺では、到底かなわない』




苦笑気味に笑う月夜は、どこか晴れ晴れとした顔をする。



『月夜、私も、お前には敵わないよ』




お互いの弱点が美点だからこそ、成り立っていけると思う。




月夜は、私の右腕だしな。





『……若って、馬鹿ですよね』



呆れたように、月夜がそう呟く。





『私が馬鹿!?』




今、そんなことをこの状態で言うこと自体が馬鹿じゃないの?




『……本当っ、馬鹿、ですよ、ねっ…』





私は、思った言葉を飲むこむ。




……月夜の声が泣いていたから。




『……月夜、私には、何も見えない』





『……っ』