しかし、その声も壮一は拾ったようで、可笑しそうに笑みを浮かべた。
『ありがとう、ございます』
『当たり前だ』
『『そうだよ!』』
『……大丈夫』
『……壮一は、必要なの』
取り敢えず、頑張らなければ。
壮一が、私たちの前からいなくならないために。
どんな手を使ってでも、米田の当主を、絶対に納得させる。
この一件は、失敗しないよう、早く、終わらせよう。
『……玲彩』
『……何?』
『壮一の親を説得するためには、お前の力が1番必要なんだ』
翔の目を見ると、どれほど真剣なのかがわかる。
私だって、わかっていた。
『……分かってる。黒羽財閥、でしょ?』
私の言葉に、翔が頷く。
正直、2度と、2度と自分から姿を表すなんてあり得ないと思っていた。
……黒羽財閥。
財閥界の、頂点。
世界でも有数のトップ企業で、幅広く手掛けている、一流財閥。



