黒狼と猫の総長様





『……置いてくわよ』




少し落ち込み気味の新名にそう声をかけて、空き教室から出る。





そういえば。







『……新名は、何であの教室にいたの』





私が引きずり込まれる前には、既に教室にいたという事だ。





『女から逃げてた。



……それよりも、俺、姫さん、蹴られているのを見たくせに助けなかったから。



それをずっと怒られると思ってるんだけど』





……怒る?





『……怒る要素が無いわ。


効いてないし、ね』





緩く口角を上げて、新名を見る。





別に、気にしていない。



服に埃がついた程度だし、幼稚すぎるイジメに、傷つくような人間じゃ無い。