『これ以上調子乗ったら、これだけじゃすまないからね。
行くよ』
最後に捨て台詞を吐いて、女が取り巻きを連れて教室から出て行く。
……何だったんだ、いったい。
ため息をついて、立ち上がり、服についたホコリを手で払う。
『……お前、痛くないのかよ?』
教室から出ようとした瞬間、そんな言葉がかけられ、足を止める。
『……誰』
気配に気づかなかった。
……強い。
危険を察し、警戒態勢に入りながら声の主を探し辺りを見渡す。
『怪しい者じゃ無いから。
その手、おろしてくれよ』
物陰から男が現れ、そう言って笑う。
……見たことがない。
まぁ、逆に知っている人だったら驚きだけど。
『……誰』
『俺?』
ヘラッと笑いながらポケットに手を突っ込んでいる男を睨みつけ、質問する。
『……そう』
『俺はねー……んー……何だろう。
説明するの、難しいんだよね。
強いて言うなら、敵ではない』
君のね。
と付け加えて笑う男に、眉をひそめる。



