黒狼と猫の総長様






校門に止まる、黒塗りのベンツ。





いかにも、だ。



まさか、あっち側の人が来るのか?

この学校に?




近くに、お嬢お坊ちゃん学校があるというのに。






誰が出てくるのかと、車に視線を向ける。




『『レーちゃん? 何見てるのー??』』





ヒョコッと私の隣から顔を覗かせた愛哉と愛斗も黒塗りのベンツを捉える。




『『わー! 凄い車!』』






……君らも、乗ったことあるでしょ。




そう思いながら、チラッと横に視線を移し、元に戻す。




誰が出てくるのかは気になる。


……知り合いでなければ、それが1番だけど。




しかし。






その私の思いは簡単に崩れ。



『……あれって』






『岳里財閥の跡取りではないですか?』






違う窓から同じく外を見る翔と壮一がそんな会話をするのが聞こえる。





……やっぱり、岳里……。







知ってる、人か。





窓の外から、降りてきた奴を見下ろしていると、ふと、奴が顔を上げる。






……しまった。





そう思った時には遅く、私を見つけた奴は、ニヤリと笑って中に入って行った。