黒狼と猫の総長様





『出てきなさい! 黒羽玲彩‼︎』




教室の扉を勢いよく開け、そう大声で叫ばれる。





……ああ、本当に馬鹿だこの人。




絶対、鹿馬の人。





『貴方でしょ⁉︎ 私のこれ貼ったの!』




ズカズカと私の所まで歩いてきたかと思うと、バンッと音を鳴らして机を叩く女。




……騒がしい。





そもそも、貴方が私の靴箱にこんな紙入れる方が悪い。





『……知りませんが』





内心、黒い笑みを浮かべながら無表情で女にそう答える。




『そんな訳ないでしょう⁉︎


だってこれは、昨日の放課後に私があんたの靴箱に入れた紙だもの!』





……やっちゃったか。




まぁ、やると思ってたよ。




私、何も言ってないからね。





『……おい、どういうことだ?』




女の言葉にいち早く反応した翔が女に詰め寄る。





『何でもないです! 私と黒羽さんの問題なので』






『……玲彩?』





何で私に聞くの。



返答に困るじゃない。





『……さあ』





そう言って笑った私を、女が睨みつける。