『恩人、だと?』
『そうさ』
そう言って、保の動きがとまる。
『俺の両親はな、中二の頃!
暴走族の喧嘩に巻き込まれて死んだんだよ』
……しん、だ?
暴走族の喧嘩に巻き込まれて……⁇
『あの時に、決めたんだよ、俺。
その暴走族を見つけ出して、潰してやるってな。
だか、家族のいない中二の俺が、1人で生きていけるはずなかった。
その時、加藤さんが拾ってくれたんだ』
……保にとっての加藤は、親同然ってことか。
『その時、俺に相談してくれればよかった。
何故、何も言わずに消えたんだよ?』
『黙れ!!!!』
俺の言葉を遮るように、大声でそう叫ぶ保。
『あの時から、お前、暴走族入ってただろ?
言えるわけないだろ。
知りたいか?
俺の両親を巻き込んだ、暴走族の名前』
俯いていた顔を上げた保の目に、その時、確実な殺意が込められた。



