本当、面倒だ。
『……まぁ、私があんたを倒せばいいだけ、か』
そう言って、口角をあげる。
『ま、そういう事だな』
南の丘の1番上。
満月が見下ろす丘で、私は加藤と向き合う。
『……かかってこいよ、加藤』
先程のお返しに、と、左手の人差し指をクイクイと動かす。
『仕返しか』
『さぁ、どうだろう?』
『いい。こっちから行かせてもらう』
先手必勝。
そう言った加藤が、私に殴りかかる。
先手必勝、ねぇ。
本当に、その言葉は正しいのかどうか。
『私に、お前の拳は当たらねぇよ』
私に向かってくる加藤の拳をつかみ、お腹を蹴り上げる。
『……くっ』
お腹を支えて顔を歪める加藤を、冷めた目で見下ろす。
容赦しない。
手加減なんて、必要ない。
『俺は、お前の力が欲しい』
『私は、誰のものにもならない』
加藤に向かってパンチを打つ。
それをかわされ、脇腹にケリを入れられる。
倒れたら、負けだ。
左足で踏みとどまり、加藤の出方を見る。
右足の蹴り……‼︎
それを判断し、避け、加藤の顔面を殴る。
加藤の顔面を殴ると、バキッという音と共に、加藤が吹っ飛でいく。
それを見て、翔の方に視線を移した。
ー玲彩サイドendー



