黒狼と猫の総長様





『保、テメで、なんでそんな所に』



『……俺は、加藤さんに拾われたんだよ』





加藤に、拾われた?


それ以前に、加藤のことをさん付けしている。




『拾われた、だと?』



『ああ、そうだよ。


感謝してるんだ。

だから例え、昔の親友を殺れと言われても、躊躇なく殺るよ。

俺は』





保、と呼ばれた男がそういう。



……昔の、親友⁇




『……俺は、お前を殴りたくない』



『そうか。だが、俺はお前を殺る』





そう言って、戦意のない翔に保が殴りかかる。





……成る程。




『あんたは、こうなる事を予想していたわけ』




目の前の加藤にそう聞く。



『何がだ?』





『腕が立つんじゃない。


私が、翔とお前の前に立つ事を予想していた。

だから、昔の親友である保を隣に置いた。


そうだろ? 加藤。

翔は、優しい奴だからな。
親友なんて、殴るはずがない』





『ご名答』




私の言葉に頷いた加藤を見て、舌打ちをする。



面倒な事になった。




相手は殺る気なのに、翔はない。