黒狼と猫の総長様




それでも、私と翔がこうして、邪魔されず、加藤の元に歩いて行けるのは。




時雨組と咲神組。


ルキ、海斗。



それに、夜猫の皆の力があって。


1人は1人の強さのおかげだと思う。





無駄にはできない。




死人は出さずとも、怪我人は出るはず。



その人達のためにも、早く、加藤とのケリをつける。





『焦るなよ、玲彩』




急げ、と。


慌ただしく考えていた私の思考を読むかのように、隣で、翔がそう言った。






焦るな、ね。




『焦っていない』





『そうか?

俺には、焦っているように見えるがな』




その言葉に、何も言えなかった。



『焦りは、禁物だ。

周りが見えなくなる』




翔の言うことはもっともだ。



焦っては、進まない。





『ありがとう』




そう言って、握り締めた手に力を加える。





そして。






『……お出ましか、玲彩。

いや、夜猫のお姫様?

黒狼か?

それとも、時雨組組長⁇』






加藤の目の前で、笑う。





『どれも、私だ。

お前には、全てにおいてやり返さなければな』