海斗さんが、負けるはずもない。
俺は、この男を倒す事だけに集中しなければ。
『お前、時雨組の奴の弟なんだよなー?』
ニヤニヤしながらそういう男。
『……何が言いたいんです?
俺は、そんな事で動揺しませんよ』
『だろうなー。
適当に言って揺さぶっただけだし?』
そう言ってゆっくり立ち上がる男を睨みつける。
『お前が相手してくれんの?』
『はい』
『俺強いよ?
お前みたいに、頭脳が取り合えじゃないんでな』
そう言って笑う男を見て、ため息をつく。
その考え方が、低脳すぎる。
『体を使うだけが、喧嘩じゃないんで』
スポーツと同じだ。
体だけでは、どうにもできない。
頭を使い、どれだけ自分の力を出せるのか。
それが鍵となる。
『あんたみたいに無駄な体力なんて必要ないんですよ。
頭は、俺の武器でもあるんで』
そう言って、にっこりと笑みを浮かべる。
『頭なんて、必要ねぇんだよ!』
軽い挑発に引っかかる男。
だから言ったのに。
『そんなにすぐ怒ると、疲れますよ?』
殴りかかってきた男の耳元でそう言い、お腹を殴る。
『楽しませてくださいね。安藤大使さん』
大使さん、もとい、目の前の男は、俺が名前を知っている事に驚いていた。



